名前の五行の見方
— 改名の前に命式で確かめたいこと、日本の姓名判断との違い
韓国の姓名学では、名前の五行をふつう音で見る発音五行、漢字の部首・意味で見る字源五行、漢字の画数で見る81数理の3つで見ます。発音五行は今の姓名学でよく使う分類と『訓民正音』解例本の割り当てが違うので、流派によって結果が分かれます。日本の姓名判断(五格・画数)が名前だけで吉凶を見るのに対し、韓国式は命式の用神に名前を合わせるのが特徴です。改名を考えるなら、名前より先に生まれた時刻まで入れた命式と用神を確かめ、名前の五行は意味や呼びやすさとあわせて見る参考の基準にしてください。
この記事の内容
韓国式の名前の五行は、何で見る?
韓国の姓名学では、名前の五行をふつう音(発音五行)、漢字の部首と意味(字源五行)、漢字の画数(数理)の3つの基準で見ます。 3つのうちどれを優先するかは名づけの専門家によって違い、漢字のないハングルだけの名前は発音五行しか見られません。
| 基準 | 何を見るか | ハングルだけの名前にも使える? | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 発音五行 | 名前の音の最初の子音(初声) | 使えます | ㅇ・ㅎとㅁ・ㅂ・ㅍの割り当てが流派で違います |
| 字源五行(じげんごぎょう) | 漢字の部首・意味が持つ五行 | 漢字がなければ見られません | 部首がはっきりしない字は本によって分類が分かれます |
| 数理(すうり) | 姓と名の漢字の画数の組み合わせ(81数理) | 主に漢字が基準です | 画数の数え方で数字が変わります |
| 命式との調和 | 名前の五行が、命式に必要な気と合っているか | 使えます | 生まれた時刻がわからないと判断が揺らぎます |
名前の五行は「この命式に何が必要か」に答えようとする道具なので、命式側の判断が先に立っていてこそ意味があります。命式の五行の数え方は四柱推命の見方まとめで確かめられます。
発音五行はどう分ける? 本によって違うのはなぜ?
今の韓国の姓名学で広く使われる分類は、ㄱ・ㅋが木、ㄴ・ㄷ・ㄹ・ㅌが火、ㅇ・ㅎが土、ㅅ・ㅈ・ㅊが金、ㅁ・ㅂ・ㅍが水です。 ところが、ハングルの制定原理を記した『訓民正音(くんみんせいおん)』解例本は、喉音のㅇ・ㅎを水、唇音のㅁ・ㅂ・ㅍを土と書いているので、どちらに従うかで2行分の結果が入れ替わります。
| 音の種類 | 子音(ローマ字の目安) | 一般的な姓名学 | 『訓民正音』解例本 |
|---|---|---|---|
| 牙音(がおん) | ㄱ・ㅋ(k/g) | 木 | 木 |
| 舌音(ぜつおん) | ㄴ・ㄷ・ㄹ・ㅌ(n・d・r/l・t) | 火 | 火 — ㄹは半舌音として別に扱います |
| 喉音(こうおん) | ㅇ・ㅎ(無音・h) | 土 | 水 |
| 歯音(しおん) | ㅅ・ㅈ・ㅊ(s・j・ch) | 金 | 金 |
| 唇音(しんおん) | ㅁ・ㅂ・ㅍ(m・b・p) | 水 | 土 |
たとえば姓が김(キム)、名が나연(ナヨン)なら、一般的な分類ではㄱ(木)→ㄴ(火)→ㅇ(土)と、木生火・火生土が続く相生の名前になります。解例本の割り当てに従うと、最後のㅇが水になり、前のㄴ(火)と水剋火の関係として読まれます。分類表ひとつで評価が分かれるのです。
最初の子音だけを見る方法が一般的ですが、パッチム(終声)まで見る専門家もいます。
字源五行と81数理は、何を見る?
字源五行は漢字の部首と意味から五行を読み、81数理は姓と名の漢字の画数を足した数で吉凶を読む方法です。 どちらも漢字があってこそ見られます。
字源五行は、林・松のように木へんなら木、江・河のようにさんずい(氵)なら水、火・灬が入れば火、土へんなら土、金へんなら金と読むやり方です。部首がはっきりしない字は意味で分類しますが、このとき本によって判断が分かれることもあります。
数理は、姓と名の字の画数を組み合わせて4つの格をつくり、それぞれの数を1〜81の数理表に当てはめます。韓国でよく使われる元亨利貞(げんこうりてい)の4格は下のとおりです。時期との結びつけは伝統的な読み方で、本によって少しずつ違います。
| 格 | 計算 | 伝統的に結びつける時期 |
|---|---|---|
| 元格(げんかく) | 名の2文字の画数の合計 | 若いころ |
| 亨格(こうかく) | 姓+名の1文字目 | 青年期 |
| 利格(りかく) | 姓+名の最後の文字 | 中年期 |
| 貞格(ていかく) | 姓と名の全体の画数 | 晩年・全体の流れ |
画数の数え方もひとつではありません。氵をもとの字である水の4画で数える原画法(げんかくほう)と、書いたとおり3画で数える筆画法(ひっかくほう)があり、同じ名前でも数理が変わることがあります。
日本の姓名判断(五格・画数)とは、どこが違う?
いちばん大きな違いは、日本で一般的な姓名判断が名前の画数だけで吉凶を見るのに対し、韓国式は生年月日時から出した命式と名前を照らし合わせる点です。 1〜81の数で吉凶を読む点は共通していますが、格の組み方と五行の出し方が違います。
日本では、昭和初期に熊崎健翁が広めた五格剖象法(熊崎式)の流れをくむ、天格・人格・地格・外格・総格の「五格」がよく知られています。韓国の姓はほとんどが1文字なので、姓だけの合計である天格に当たる格を独立して使わず、4格で見るのが一般的です。
| 比べるところ | 韓国の姓名学 | 日本の姓名判断(五格) |
|---|---|---|
| 格の数 | 元格・亨格・利格・貞格の4格 | 天格・人格・地格・外格・総格の5格 |
| 名だけの合計 | 元格 | 地格 |
| 姓と名の境目 | 亨格(姓+名の1文字目) | 人格(姓の最後の字+名の最初の字) |
| 全体の合計 | 貞格 | 総格 |
| 五行の出し方 | 音の子音(発音五行)・部首(字源五行) | 格の画数の下一桁から出す三才配置が中心 |
| 命式との関係 | 用神に合わせて字を選ぶのが基本 | 名前だけで見る流派が多い |
| 画数の数え方 | 原画法と筆画法で分かれる | 旧字体(康熙字典の画数)で数えるか、今の字体で数えるかで分かれる |
画数の数え方で流派が割れるのは、日韓とも同じです。日本の名前を韓国式で見たい場合、字源五行と数理は漢字があれば当てはめられますが、発音五行はハングルの子音を前提にした分類なので、日本語の読みにそのまま当てはめる決まった方法はありません。日本の姓は2文字以上が多いので、韓国式の4格の計算も姓の画数を合計してから使うことになります。
命式の用神と名前は、どんな順番で合わせる?
命式の確認 → 五行の分布 → 用神の判断 → 漢字と音を選ぶ、という順番です。 足りない五行をそのまま名前で補うのではなく、命式に本当に必要な気である用神(ようじん)を先に決める必要があります。
- 命式を確かめる生年月日と時刻から八文字を出します。時柱が変われば五行の分布も変わるので、無料の命式計算機で生まれた時刻まで入れて確かめてください。
- 五行と蔵干を見る表の八文字の五行の数を数え、ない五行が地支の中の蔵干(ぞうかん)に隠れていないかも見ます。蔵干の基本は四柱推命用語集で確かめられます。
- 用神を決める身強・身弱(扶抑)と生まれた季節(調候)をあわせて見て、必要な気を決めます。流派の違いがいちばん大きい段階です。くわしい方法は用神の見つけ方にあります。
- 漢字を選ぶ用神の五行を字源五行に持つ漢字を、名前に使える漢字の範囲の中から選びます。
- 音と意味を確かめる発音五行と数理は参考にとどめ、家族が声に出して呼んでみて、意味をひとことで説明できるかを確かめます。
たとえば1990年5月15日14時30分(KST入力。日本時間でも同じ時刻)生まれは、ムタルオンニのエンジンの計算で庚午(かのえうま)年・辛巳(かのとみ)月・庚辰(かのえたつ)日・癸未(みずのとひつじ)時で、表の八文字に木がひとつもありません。「木がないから名前に木を入れよう」となりがちですが、辰と未の蔵干には乙木(きのと)が入っています。初夏の巳月に生まれた庚金は、調候でまず水を探すという見方もあります。用神を何と見るかで、名前に入れる五行が変わるのです。くわしくは命式にない五行にあります。
韓国で改名するには、どんな手続きが必要?
韓国での改名は、家庭法院に改名許可を申し立て、許可を受けてから1か月以内に改名の届出をする順番です。 根拠は「家族関係の登録等に関する法律」で、新しい名前に使う漢字は、大法院規則が定める人名用漢字の範囲に入っている必要があります。
- 新しい名前の候補を決める漢字を使うつもりなら、候補の字が人名用漢字の範囲に入っているかを先に確かめます。
- 家庭法院に許可を申し立てる管轄の法院、必要な書類、費用などの細かい点は、大法院の電子家族関係登録システムの案内で確かめてください。
- 許可後1か月以内に届け出る許可が出たら、決められた期間内に改名の届出をしてはじめて、家族関係登録簿に新しい名前が載ります。
出典:大法院 電子家族関係登録システム(韓国語)、「家族関係の登録等に関する法律」。書類と手続きの案内は変わることがあるので、申し立ての前に公式の案内を確かめてください。
許可するかどうかは法院が判断します。日本で名を変える場合も、戸籍法にもとづき「正当な事由」と家庭裁判所の許可が必要で、名前に使える漢字は常用漢字と人名用漢字に限られます。この記事は法律相談ではないので、個別の事情は公式の案内や専門家に確かめてください。
名前を変えれば、運命も変わる?
名前が運命を変えると言い切れる根拠はありません。 命理学では命式と大運を生年月日時から計算し、名前はその計算に入りません。改名しても、八文字と大運の流れはそのままです。
名前が実際に変えるのは、呼ばれる音、自己紹介するときの感じ、初めて会った人が受ける印象といった暮らしの部分です。読み間違えられることが多い、新しいスタートの意味を込めたい、といった理由で改名するなら、五行は新しい名前を選ぶ基準のひとつとして置いておけば十分です。
赤ちゃんの名前をつけるときは、何から見る?
生まれた時刻を正確に記録して命式を確かめるのが先で、五行は意味・音・家族の名前との調和とあわせて見る基準のひとつです。 生まれる前に名前を決めていた場合は、実際の出生時刻で命式をもう一度確かめてみてください。
2027年生まれの干支の境目と、名づけで五行を見るやり方は2027年生まれ「赤い羊」の赤ちゃんにまとめました。きょうだいや親の名前、韓国の行列字(ハンニョルチャ、世代ごとに共通させる字)、姓との音のつながりまであわせて見るなら、家族の四柱推命の見方も役に立ちます。
五行の評価がよくても、発音しにくかったり意味を説明しにくかったりする名前は、子どもが長く使うには不便なことがあります。
ムタルオンニでは、名前の五行をどう確かめる?
ムタルオンニで確かめられるのは、名前の材料になる命式の側です。 ウェブの命式計算機で登録なしに八文字を出し、この記事の表で名前の音と漢字を照らし合わせてみてください。
アプリに生年月日と時刻を入れると命式を計算してくれ、オンニとの会話で五行の気になる点を聞くこともできます。アプリは入力した時計の時刻を韓国時間(KST)としてそのまま使うので(日本時間と同じなので換算は不要です)、サマータイムの時期の生まれなら、ウェブ計算機の補正オプションの結果と並べて見てください。
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よくある質問
ハングルだけの名前にも五行はありますか?
ハングルだけの名前には漢字がないので、字源五行と漢字の数理は見られず、音で見る発音五行だけが見られます。発音五行も流派によってㅇ・ㅎとㅁ・ㅂ・ㅍの割り当てが違うので、どの分類を使ったかを確かめるのがおすすめです。
名前の鑑定結果が専門家によって違うのはなぜですか?
発音五行の分類表、画数の数え方(原画法・筆画法)、用神の決め方がそれぞれ違うからです。結果を比べるときは、この3つの基準から確かめてください。
生まれた時刻がわからないと、名前の五行は見られませんか?
名前の側の発音・字源・数理は見られますが、照らし合わせる命式は時柱を除いた6文字で判断することになるので、用神が揺らぐことがあります。ムタルオンニのエンジンで1960〜2009年生まれの命式を計算すると、6文字の基準では89.4%が五行をひとつ以上欠いて出ます。
日本の姓名判断で大吉の名前は、韓国式でもよい名前ですか?
一致するとは限りません。日本の五格と韓国の4格は格の組み方が違い、韓国式は命式の用神との相性も見るので、同じ名前でも評価が分かれることがあります。どちらの方式で見た結果なのかを分けて考えてください。
日本語の名前やニックネームにも発音五行を使えますか?
韓国の発音五行はハングルの子音を前提にした分類なので、日本語の読みに当てはめる決まった方法はありません。韓国語で呼ばれるときの音の最初の子音で遊び感覚で見ることはできますが、呼びやすさと意味のほうが大切な基準です。
