用神の見つけ方
— 喜神・忌神まで、命式に必要な気を選ぶ
用神とは自分の命式のバランスを整えるのにいちばん必要な五行です。力の大きさを見る扶抑と、温度を見る調候が基本で、用神が決まれば喜神・忌神・仇神・閑神は五行の生剋から自動的に導かれます。命式にない五行がそのまま用神というわけではありません。
この記事の内容 8つのトピック
用神とは?
命式の八文字のバランスを整えるのにいちばん必要な五行です。漢字で「用いる」の「用」に「神」— 自分の命式の中でいちばん役に立つ気という意味です。
たとえるなら、体質に合った処方のようなものです。熱すぎる体には冷ますものが、冷えすぎた体には温めるものが必要なように、一方に偏った命式には反対側を補う五行が必要です。その五行がわかれば、大運・年運を読むときに「今は自分に必要な気が入ってくる時期なのか」を判断する基準ができます。
用神を見つける4つの方法とは?
代表的な方法は4つです。実際には前の2つがいちばんよく使われます。
- 扶抑(抑扶)
- 力の大きさを整えます。身強なら日干の力を減らす五行(食傷・財星・官星)から、身弱なら力を足す五行(比劫・印星)から用神を選びます。もっとも基本となる方法です。
- 調候
- 温度と湿度を整えます。真冬(亥・子・丑月)に生まれた冷たい命式は火で温め、真夏(巳・午・未月)に生まれた熱い命式は水で冷やします。調候を重視する古典として『窮通宝鑑』がよく挙げられます。
- 通関(通關)
- 2つの五行が拮抗してぶつかっているとき、両者をつなぐ五行を使います。金と木が対立していれば金生水・水生木とつなぐ水が、水と火が対立していれば木が橋渡しになります。
- 病薬(病藥)
- 命式でいちばん問題になっている文字(病)をまず探し、それを抑える五行(薬)を用神とします。多すぎる五行ひとつがバランスを崩しているときに使う見方です。
どの方法を先に使うか — ふつうは扶抑で方向をつかみ、真冬・真夏生まれなら調候もあわせて確認します。2つの方法が同じ五行を指せばその五行を用神と確定しやすく、違う場合は流派によってどちらを優先するかが分かれます。
喜神・忌神・仇神・閑神はどう決める?
用神がひとつ決まれば、残りの4つは五行の生剋から導かれます。相生(木→火→土→金→水→木)と相剋(木→土→水→火→金→木)さえ知っていれば大丈夫です。
| 名称 | 用神との関係 | 意味 | 用神が火なら |
|---|---|---|---|
| 用神 | — | いちばん必要な気 | 火 |
| 喜神 | 用神を生む五行 | 用神を助けるうれしい気 | 木(木生火) |
| 忌神 | 用神を剋す五行 | 用神をくじく、避けたい気 | 水(水剋火) |
| 仇神 | 忌神を生む五行 | 忌神を育てる気 | 金(金生水) |
| 閑神 | 残りのひとつ | 大きな影響のない、のんびりした気 | 土 |
5つの五行が5つの名前にひとつずつ入ります。用神が変わるだけで表全体が同じルールで回るので、用神を見つけることが実質的にすべてです。
例の命式で用神を探してみよう
身強・身弱の記事で判断した架空の命式をそのまま続けて使います。壬寅年・壬子月・甲午日・庚午時、真冬に生まれた甲(木)です。
- 扶抑 — 得令・得勢を得ていて、身強寄りです。減らす五行である火(食傷)・土(財星)・金(官星)が候補です。
- 調候 — 子月の真冬に水が3つあります。冷たく湿った木なので、火で温める必要があります。
- 重なる五行 — 扶抑の候補と調候の答えが、どちらも火を指しています。用神は火で、命式の午の2文字がその役割を果たしています。
表のルールどおりなら、喜神は木、忌神は水、仇神は金、閑神は土になります。この命式で水が忌神なのは自然なことです — 水がすでに多く、火を消してしまう側だからです。
ここで分かれるポイント — 身強の命式なのに喜神が木(比劫)と出ると、違和感があるかもしれません。日干をさらに強くする五行だからです。そのため流派によっては、この場合財星である土を喜神とすることもあります。土はあふれる水をせき止めてもくれます。アプリによって喜神が違って出る代表的な理由です。
足りない五行がそのまま用神?
いいえ。いちばんよくある誤解です。用神は空いている五行ではなく、バランスに必要な五行です。
たとえば、身弱な木の日干の命式に土がひとつもないとしましょう。土は木の日干にとって財星で、力を使わなければならない「減らす」五行です。すでに弱い命式に土を補うと、かえってもっと疲れてしまいます。この場合、土はなくても用神ではなく、忌神になることさえあります。
「ないものを補う」という考え方は、一日単位の軽い補給にはよく合います。その日足りない五行を食卓で補うように。でも一生単位の用神は、強弱と温度を先に見極めてから決めます。
同じ命式なのに、なぜ用神が違って出る?
用神は計算というより判断に近いので、どこで分かれるかを知っておくと混乱が減ります。
- 方法の優先順位
- 扶抑と調候が違う五行を指すとき、どちらを優先するかです。同じ命式でも、この選択ひとつで用神が変わります。
- 身強・身弱の境目
- 強弱があいまいな命式は、判断次第で扶抑の用神が正反対になります。強弱がアプリによって分かれる理由がそのまま影響します。
- 喜神の定義
- 上で見たように、喜神を「用神を生む五行」に固定するところと、命式の状況に合わせて変えるところがあります。
- 時柱と補正
- 生まれた時刻がわからないと2文字が抜け、サマータイム・夜子時の扱いによって時柱が変われば、五行の構成も変わります。
結果が違って出たら、「どちらが間違っているか」より「どんな方法で決めたか」を確認してみてください。根拠を示さずに用神だけを断定する鑑定は、一度疑ってみてもいいでしょう。
用神の五行は生活でどう使う?
用神の五行に対応する色・数字・方角・季節を、生活の中の目印として使うことがよくあります。
| 用神の五行 | 色 | 数字 | 方角 | 季節 |
|---|---|---|---|---|
| 木 | 緑・青 | 3 · 8 | 東 | 春 |
| 火 | 赤 | 2 · 7 | 南 | 夏 |
| 土 | 黄・茶色 | 5 · 10 | 中央 | 季節の変わり目 |
| 金 | 白 | 4 · 9 | 西 | 秋 |
| 水 | 紺・黒 | 1 · 6 | 北 | 冬 |
もっと実用的な使い方は、時期を読む基準です。大運やその年の干支(年運)に用神の五行が入れば気を活かしやすいとき、忌神の五行が入ればペースを調整するときと読みます。たとえば2027年丁未年は丁が火、未が土なので、火・土が用神や喜神の人にとってうれしい年と見ます。
毎日変わる今日のラッキーカラーはその日の干支を基準に決めるものなので、用神の色とは出発点が違います。用神の色は自分にいつも必要な気、今日の色は今日の流れに合わせた気です。どちらも結果を変える仕掛けというより、大事な日に気持ちを引き締める目印として使うくらいがちょうどいいでしょう。
よくある質問
用神はひとつだけですか?
ふつうはいちばん必要な五行ひとつを用神とし、それを助ける喜神もあわせて見ます。扶抑と調候が違う五行を指す場合は、2つを並べて書いておくこともあります。
命式にない五行が用神なのですか?
必ずしもそうではありません。用神は空いている五行ではなく、バランスを整えるのに必要な五行です。命式にない五行が、かえって忌神ということもあります。
用神は変わりますか?
命式(原局)の用神はそのまま見ます。大運・年運で用神の五行が入ってくる時期を気を活かしやすいとき、忌神の五行が入ってくる時期をペースを調整するときと読みます。
用神の色の服を着ると運がよくなりますか?
用神の色は、自分に必要な気を思い出させてくれる生活の中の目印に近いものです。色ひとつで結果が変わると考えるより、大事な日に気持ちを引き締めるための仕掛けとして使うくらいがちょうどいいでしょう。